この記事でわかること
- FXの基本的な仕組み
- 利益が出る2つの経路
- レバレッジとは何か
- 証拠金維持率とロスカット
- スプレッドという実質コスト
- FXのリスク(必読)
- 始める前の準備
はじめにお読みください。本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の取引や金融商品を推奨するものではありません。FXは元本が保証されず、預け入れた証拠金を超える損失が生じる可能性もある商品です。取引の判断はご自身の責任で行ってください。
FXの基本的な仕組み
FXは「外国為替証拠金取引」の略称です。異なる通貨を交換し、その価格差で損益が生まれる取引を指します。
たとえば1ドル=150円のときに米ドルを買い、155円になったときに売れば、1ドルあたり5円の利益。逆に145円に下がったところで売れば、1ドルあたり5円の損失です。この単純な構造が基本になります。
両替との違いは「証拠金取引」である点です。取引したい金額の全額ではなく、その一部を担保(証拠金)として預けることで取引ができます。この仕組みが後述するレバレッジにつながります。
利益が出る2つの経路
| 内容 | 注意点 | |
|---|---|---|
| 為替差益 | 買った価格と売った価格の差 | 逆方向に動けば同じだけ損失になる |
| スワップポイント | 2国間の金利差から生じる調整額 | 受け取る側にも支払う側にもなる。金利情勢で変動する |
スワップポイントは「保有しているだけで毎日もらえる」と紹介されることがありますが、通貨の組み合わせと取引の方向によっては逆に支払うことになります。金利は変動するため、受取額が将来も同じとは限りません。
レバレッジとは何か
レバレッジは「てこ」の意味で、預けた証拠金より大きな金額の取引ができる仕組みです。
たとえば10万円の証拠金でレバレッジ10倍なら、100万円分の取引ができます。値動きが1%あった場合、100万円分に対する1%=1万円の損益となり、証拠金10万円に対しては10%の変動ということになります。
ここが最も誤解されやすい点です。レバレッジは利益を増やす仕組みではなく、損益の振れ幅を大きくする仕組みです。上振れも下振れも同じ倍率で拡大します。
国内のFX業者では、個人の取引におけるレバレッジの上限が法令で定められています。高いレバレッジをかけるほど、わずかな値動きで証拠金が大きく減ることになります。初心者ほど低いレバレッジから始めることが推奨されるのはこのためです。
証拠金維持率とロスカット
含み損が膨らみ、証拠金に対する余裕(証拠金維持率)が一定の水準を下回ると、業者側で強制的に決済される仕組みがあります。これがロスカットです。
ロスカットは損失の拡大を防ぐための仕組みですが、これがあれば安全というわけではありません。相場が急変した場合、想定した価格で決済されず、預けた証拠金を超える損失が発生する可能性があります。
スプレッドという実質コスト
FXでは通常、売値と買値に差があります。この差がスプレッドで、実質的な取引コストにあたります。
取引した瞬間はスプレッドの分だけマイナスからスタートすることになるため、取引回数が多いほどコストの影響は大きくなります。スプレッドは市場環境により変動し、経済指標の発表時などには広がることがあります。
※スプレッドの水準や適用条件は業者・通貨ペア・時間帯によって異なります。最新の条件は必ず各社の公式サイトでご確認ください。
FXのリスク(必読)
ここは飛ばさずに読んでください。
- 元本は保証されません。預けた資金が減ることも、なくなることもあります
- 証拠金を超える損失が生じる可能性があります。相場急変時にはロスカットが想定価格で機能しない場合があります
- レバレッジは損失も拡大させます。倍率が高いほど、少しの逆行で資金を失いやすくなります
- スワップポイントは支払いになることもあります。金利情勢の変化で受取が支払に転じることがあります
- 為替は予測できません。各国の金利政策、経済指標、地政学的な出来事など、個人には制御も予測もできない要因で動きます
「必ず勝てる手法」「元本保証で高利回り」といった話は、FXに限らず疑ってください。金融庁に登録のない業者による勧誘トラブルも報告されています。取引を始める際は、金融商品取引業者として登録された国内業者かどうかを必ず確認してください。
始める前の準備
失っても生活に影響しない金額を決める
最初に決めるべきはこれです。生活費や近く使う予定のあるお金を投じるべきではありません。
デモ取引で操作に慣れる
多くの業者がデモ環境を用意しています。実際の資金を入れる前に、注文方法と決済方法を体で覚えておくと、操作ミスによる損失を避けられます。
損切りのルールを先に決める
「いくら下がったら決済するか」を取引前に決めておきます。含み損が出てから考え始めると、判断が感情に引きずられます。
なお、FXの利益には課税されます。給与所得者でも一定額を超える所得があれば申告が必要になるため、税金の基本もあわせて確認しておいてください。
よくある質問
- Q. いくらから始められますか?
- A. 業者や通貨ペア、取引単位によって異なります。少額から始められる仕組みはありますが、金額が小さくてもリスクの性質は変わりません。まずは失っても困らない範囲で検討してください。
- Q. 初心者でも利益は出せますか?
- A. 利益が出ることも損失が出ることもあり、確実なことは言えません。「初心者でも簡単に稼げる」という説明は事実ではないと考えてください。
- Q. 口座開設に費用はかかりますか?
- A. 国内の多くの業者では口座開設・維持の手数料は無料とされていますが、条件は各社で異なります。必ず公式サイトでご確認ください。
- Q. 副業禁止の会社でもFXはできますか?
- A. 一般に資産運用は副業と区別されることが多いものの、判断は勤務先の規定によります。不安な場合は就業規則を確認してください。
- Q. 利益が出たら税金はかかりますか?
- A. 課税対象です。国内業者の店頭FXは申告分離課税の扱いとなるのが一般的ですが、状況により異なるため国税庁の情報や税務署・税理士にご確認ください。